Raspberry Pi(ラズベリーパイ)で火が付いた感のあるARM搭載ボード。VIAから発表されたAPC(APC 8750)は、Raspberry Piほど安価ではないが、充実したインターフェースがちょと魅力的なブツ。発表と同時に申し込んで、すっかり忘れていたのだけど、7月も末になって、いきなり届いた。インヴォイスを見ると、本体が49ドルで、送料が30ドル(航空便)。いくつかまとめて買えば安くなるのではないか。
基本的にITX規格に準拠しているため、バックパネルなどはPC用とほぼ同様。ケースもむろんITX用のものが使える。
後ろのI/Oパネルのようなボール紙を引き抜くと、そのままボードのバックパネルが現れるギミック。実はこのままケースとしても使える設計になっているようだ。
見た感じはPCのマザーにくりそつだが、メモリソケットやCPUソケットはむろんのこと存在しない。電源は付属のACアダプタの他、4ピンからも供給できるので、ITX系ケースに入れればACアダプタはいらない。背面のピンはUSBとシリアルポート用。
標準でフラッシュメモリを搭載していて、そこにAndroidがインストールされているので、箱から出して、ディスプレイとキーボード/マウスをそれぞれHDMIとUSB端子につなぎ、ACアダプタにつないでみたら、あっさり起動した。マーケットもないようなシンプルなAndroidだが、LANにつないでYouTubeでHD動画を再生してみたところ、駒落ちもなくH.264の動画再生が可能だった。けっこう優秀。
アプリの追加については、SDカード経由での報告例がフォーラムで挙がっており、野良アプリはインストール可能なもよう。また、マーケットについてもインストールできたとの報告があるので、これもそのうち使えるようになるだろう。
なにより、Linuxが動くようになれば、NASやファンレスサーバなどにも応用できるだろう。数千円で手に入るおもちゃとしてはなかなか優秀なのではないだろうか。
●APC